複雑なインド語

インドは雑多な国とよく言われます。「インドはどんな国?」と訊かれれば誰もが漠然としたイメージを浮かべるものの、そこにはあまり統一性がありません。その理由は多民族、多宗教、多言語といったインドの複雑な事情があります。とくに厄介なのは宗教問題ですが、もうひとつ、言語の問題もあります。インド人はインド語を話している、一言で済ませるわけにはいかないからです。

 

地域や民族によってインドでは話されている言葉が異なります。世間一般で「インド語」と言えばヒンディー語を指しますが、実際のところこの言語を話しているのはインド国民のわずか4割。つまり6割の人には通じないことになります。日本語を話せず日本人と会話ができる、あるいは英語が出来ればアメリカ人、イギリス人とコミュニケーションが成り立つ、といった事情とは明らかに異なります。なお、政府によって定められたインドの公用語にはじつに22種類あります。

 

この複雑な言語の問題は民族の統一を妨げる要因にもなってきましたが、現在のインドのビジネスシーンではヒンディー語と英語が共通言語の形となっています。日系企業で働く場合には英語だけでも用を足すことができますが、より深く現地の企業と協力関係を結んだり、現地で生活を送ったりするためにはやはりヒンディー語も覚えておきたいところ。

 

これぐらいは覚えておきたい

まず基本となる「ありがとう」。どの言語を覚える際にも最初に覚えたい言葉です。店で買い物や食事をした際、あるいは1日の仕事を終えて職場の同僚と挨拶をする際、この言葉があれば最低限の意思の疎通と交流を図ることができます。ヒンディー語で「ありがとう」は「ダンヤワド(dhanyawad)」といいます。「ダンニャワード」と表記されることもあります。外国人には発音がやや難しい面もあるのでネット上の動画や音声・動画の教材などで確認しておくとよいでしょう。

 

それから相槌に使用する言葉。英語で言えば「OK」にあたるのは「アチャ(accha)」。ただもう少し広い意味もあり、「おお!」「ああ!」などでも使用できます。会話の端々に挟むと役立ちます。

 

もっとも有名なのは挨拶の言葉「ナマステー」です。じつはヒンディー語ではこの「ナマステー」で「こんにちは」と「さようなら」を表現します。つまりこれさえ知っていればひと通りの挨拶ができるわけです。これもまず覚えておきましょう。

 

お礼を言われた時にスムーズに対応できるかも現地の人と交流を深める上で大事なポイント。「どういたしまして」は「コーイ バート ナヒーン」となります。少々長いのでこれも実際の発音を確認しておきましょう。あくまで基本ですが、覚えておいて損はないはずです。